当グループの医師は、国内外のご協力をいただいている施設や提携する施設で白内障手術を行っています。これまでに、白内障手術における角膜切開をいち早く導入するなど、様々な白内障手術用器具を取り入れ、それらを評価することで、より良い手術の提供につながることを考え、日々活動しています。
市川一夫医師が長年にわたり研究を続けてきた「色覚」の知識を元に発案し、現在ではグローバルスタンダードとなった着色眼内レンズや、より安全で確実な白内障手術を提供するための弧状ナイフをはじめとした白内障手術用の器具など、眼内レンズや器機類の開発にも携わっています。
また、当グループのサポートを行っている会社の一室を利用し、通常の眼科手術室とほぼ同じレベルのウェットラボ室を備え、実際の手術機器と豚眼を用いた白内障手術の教育や練習を行うことができます。白内障手術に関する研究では欠かせないMiyake-Apple viewも確立し、看護師や視能訓練士らスタッフとともに様々な研究にも活用しています。
白内障のうち、大半を占める加齢性の白内障から、小児、チン小帯脆弱、小瞳孔など難易度の高い症例まで、全ての白内障にわたり対応することができる体制づくりを目標に取り組み、グループの中核を担う中京眼科や佐藤裕也眼科医院では、多焦点眼内レンズやLight Adjustable Lens™を使用する手術など「自費」の白内障診療も行っています。
また、白内障Head up surgery機器(ARTEVO800、Zeiss社)、眼科モニター(CALLISTO eye®、Zeiss社)、水晶体核切断支援機器(miLOOP®、Zeiss社)など白内障に関わる様々な機器や眼内レンズを世界中から積極的に導入し、それらを活用することにより得られる情報やデータをご協力いただいている施設や提携している施設と共有することはもとより、学会や論文等で展開することにも努めています。
Light Adjustable Lens™に関しては、中京眼科のホームページでご覧いただくことができます。
2023年6月22日~24日に札幌で開催された第38回JSCRS学術総会において、2022年から使用を開始した術後屈折度数調整レンズ「Light Adjustable Lens®(以下、LAL)」に関する発表を行いました。
また、2023年7月21日~23日に盛岡で開催された第62回日本白内障学会総会では、強膜固定用眼内レンズ“NX-70CH”の嚢内固定について術後の成績を発表しました。
当グループにとって、上記2種類の講演は国内で初めて発表する内容になります。今後も、臨床はもとより、学会発表、論文作成など学術にも積極的に取り組んで行きたいと考えます。
中京眼科において、2022年11月から白内障手術にLight Adjustable Lens®(以下、LAL)の使用を開始して以来、40眼以上の挿入実績ができました。また、2023年6月からは佐藤裕也眼科医院(宮城県仙台市)においてもLALの使用を開始しました。2023年12月の時点で、国内では前述の2施設のみがLALを使用しています。
LALを挿入した場合、手術からおよそ1ヶ月後に、Light Delivery Device®(以下、LDD)を用いて、患者さんに実際の見え方を体験していただきながら、眼内レンズの度数を決定していきます。これまでLALを挿入した患者さんからは、概ね満足していただいているお声が聞かれます。
今後も、白内障手術における術後の見え方に悩みを抱えている患者さんらにとって、LALを選択肢のひとつとして認識していただくため、普及にも注力していきたいと考えます。