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学 術

穂積医師(JCHO中京病院眼科)が米国眼科学会(AAO)2024の参加と留学を予定しているインディアナ大学小児眼科・斜視クリニックの見学を目的に訪米しました。その印象記をご紹介します。

2024.10.30

2024年10月14日から16日までインディアナ大学小児眼科にて病院見学を行い、18日にシカゴにて開催された米国眼科学会(AAO)2024に参加いたしました。

インディアナ大学医学部は米国北東部インディアナ州の州都インディアナポリスにあります。赤津史郎先生を初めに、矢ケ﨑悌司先生、佐藤美保先生、横山吉美先生、彦谷明子先生、根岸貴志先生など、現在本邦の小児眼科・斜視分野で中心となって活躍されている先生方が多数在籍された小児眼科・斜視学のメッカであり、現在は矢ケ﨑礼香先生が留学中です。来年度には僭越ながら留学させていただく予定となっており、今回はそれに先立ち、施設見学をさせていただきました。

インディアナポリスは、環状の高速道路465号線の内側に街の中心があり、ダウンタウン近郊にインディアナ大学医学部本部があります。今回は中心部にあるRiley Hospital for Childrenおよび郊外の北部にあるMidwest Eye Instituteにて外来と手術を見学させていただきました。

ChairmanのDavid A. Plager先生、ISAの会長も務められたDerek T. Sprunger先生をはじめとしたインディアナ大学の教官の先生方、およびフェローの先生方の手術と外来を見学させていただきました。手術については斜視手術に限らず、先天白内障、コーツ病、網膜芽細胞腫など小児眼科分野の疾患を幅広く対応され、教官の先生方の巧みな手術手技を見せていただきました。フェローの先生方の手術手技のレベルも非常に高く、手術教育のレベルの高さも同時に実感しました。

使用している機材や手術の術式についてはJCHO中京病院で普段利用しているものと大きな差異はありませんでしたが、一番大きな差異としてやはり言語の壁は厚く、留学までに英会話の勉強がもっと必要であることを実感いたしました。

また今回はインディアナ大学医学部を見学するだけでなく、インディアナポリスの街を直接車で回って各地域の特色が五感で実感でき、スーパー、病院、ガソリンスタンド、子供を休日連れていく施設(動物園や子供博物館)など、実際に生活するうえで必須となる施設についても直接見学できたことが何より大きかったです。現在留学中の矢ケ﨑礼香先生からもインディアナポリスでの生活について具体的なアドバイスを沢山いただきました。米国眼科学会(AAO)2024に参加する意味もありましたが、日本→シカゴ→インディアナポリスという空路を先に経験し、渡航時のシミュレーションができたのも大きな収穫といえます。妻子を連れて渡米し、アメリカで生活するうえで心配なことが多々ありますが、今回の見学でかなりの部分が解消され安心しました。

Riley Hospital for Children
David A. Plager先生、矢ケ﨑悌司先生、根岸貴志先生と
手術室にて

17日にインディアナポリスからシカゴに移動し、米国眼科学会(AAO)2024にも参加いたしました。勤務の都合上18日のみの参加でしたので、まだ各企業ブースは設営中で学会はこれから始まるという感じではありましたがSubspeciality dayで小児眼科・斜視分野を履修することができました。日本でも保険収載が決まり、これからの活躍が期待されるTeprotumumabについての最新の知見に接したり、UCLAのJoseph. Demer先生からはmasquerade syndrome について学んだり、たった一日の参加ではありましたが非常に有意義な時間を過ごすことができました。

米国眼科学会(AAO)2024

最後になりますが、今回施設見学の機会を与えてくださったインディアナ大学の先生方、矢ケ﨑悌司先生、見学中に留学について沢山のアドバイスをいただきました根岸貴志先生、矢ケ﨑礼香先生、渡航にあたりサポートをいただきましたJCHO中京病院の医師およびスタッフ、中京グループの皆様に心より御礼申し上げます。

JCHO中京病院眼科 穂積健太